診療・各部門
狭心症と心筋梗塞
虚血性心疾患とは、何らかの原因で心臓の筋肉(心筋)への血液の供給が不足して起こる病気でおもに、狭心症と急性心筋梗塞があります。狭心症とは心筋へ血液を送り込む冠動脈が動脈硬化などで血流が滞った際に、一時的に心筋が酸素欠乏状態となり胸や左肩に押しつけられる感じや締め付ける感じが起きます。
急性心筋梗塞は、冠状動脈が動脈硬化の進行や血管の中に血の固まり(血栓)が出来ることで完全に詰まってしまう状態を言います。心筋への血液が途絶えますので心筋が壊死をおこしてしまい、心臓の働きは弱り、むくみや呼吸困難(心不全)や重大な不整脈が生じ、生命の危険があります。一刻も早く血流を再開させる必要があります。
経皮的冠動脈形成術(PCI)とは
胸にメスを入れる手術ではなく、カテーテルを使って、冠動脈を治療する方法です。当院では年間約80例の実績があります。
- ガイドワイヤーを動脈(大腿・上腕・橈骨)から血管内に挿入し、冠動脈の狭窄部分にガイドワイヤーを通します。
- 冠動脈(血管)に通したガイドワイヤーに沿って、バルーンカテーテルの狭窄部分に進め、位置を固定します。
- 狭窄部分でバルーンカテーテルを膨らませ、冠動脈(血管)を内側から押し広げます。
- 冠動脈(血管)の広がりを確保し、バルーンカテーテルを収縮させて、ガイドワイヤーとともに取り出します。治療後、冠動脈(血管)は広がり血流が改善されます。
※ ステント留置術では、冠動脈(血管)に通したガイドワイヤーに沿って、ステントが乗っているバル ーンカテーテルの狭窄部分に進め、位置を固定します。狭窄部分でバルーンカテーテルを膨らませると、ステントが同時に広がり冠動脈(血管)の血管壁に押し付けられた状態(植込)になり冠動脈の内腔を支えてくれます。
冠動脈(血管)の広がりを確保し、バル ーンカテーテルを収縮させてステントを留置後、ガイドワイヤーとバルーンカテーテルを取り出します。ステントとは、 金属性の小さなチューブ状のもので、冠動脈(血管)を内側から押し広げて留置することで冠動脈の内腔を支えてくれます。
経皮的冠動脈形成術(PCI)について
PCIは悪くなった冠動脈の血液の流れをバイパス手術よりも軽い負担で改善させる方法として開発され、ステント留置術等により大幅に改善されました。
血液をサラサラにする効果の薬を長期服用しなければならないこと、すべての冠動脈狭窄部位には挿入できないことなどの問題もあります。
当院ではより安全で最適な治療を患者さまに提供できるよう努力を重ねていきます。
※ 治療についてご不明な点がございましたら循環器科までお問合せください。