診療・各部門
概 要
脳神経外科の治療対象となる病気には、頭部外傷、脳卒中(くも膜下出血、脳出血、脳梗塞)などの急性期疾患から、脳腫瘍、脊椎・脊髄疾患、てんかんやパーキンソン病などの慢性疾患があります。そのうち、日常で多くみられる病気を簡単にご説明します。
| 脳梗塞 | 動脈硬化や血栓により脳の血管がつまる病気。早期に血管内カテーテルや薬で治療すれば、後遺症なく回復することもできます。 |
| くも膜下出血 | 脳動脈瘤などが破裂してくも膜と脳の間に出血する病気。突然の激しい頭痛の際には本病気を考慮ください。開頭術や血管内手術で治療します。 |
| 脳出血 | 高血圧などにより、脳の血管が破れて脳内に出血する病気。大きな出血で生命が危険な場合などは手術します。 |
| 脳腫瘍 | 脳細胞や脳神経を包む膜からできる原発性脳腫瘍と、肺癌や乳癌などが脳に転移する転移性脳腫瘍に分かれます。原発性脳腫瘍には神経膠腫、髄膜種、下垂体腺腫、神経鞘腫などがあり、手術療法が中心です。放射線療法や化学療法が必要になることもあります。 |
| 頭部外傷 | 高齢者の方に知っていただきたい病気に慢性硬膜下血腫があります。慢性硬膜下血腫は、軽微な外傷後、1~2か月の間に脳と頭蓋骨の下にある硬膜の間に徐々に血がたまってきます。頭痛や半身の手足の麻痺がある場合には、局所麻酔で頭蓋骨に穴をあけてドレナージします。 |
脳神経外科では、上手に外科的手術で治療することが大事ですが、必ずしも、手術だけではなく、薬物療法やリハビリテーションよる治療で良くなる方もたくさんいます。当院では外科的手術の対象にはならない頭痛や認知症などの疾患にも対応させていただきます。
脳脊髄の病気は、いったん障害がでますとなかなか回復が難しく、後遺症が残ることもあります。そのためには、積極的に予防することが重要です。当院では、脳ドックなどの予防医療も取り組んで、地域の皆様が健やかに暮らせるように、お役に立ちたいと思います。
特 色
頭が痛い、手足の力が入らない、しびれる、視野が狭くなる、物が2重にみえる、ろれつがまわらない、うまく歩けないなどの脳神経症状がありましたら、いつでも外来受診ください。
また高齢になって、手が震える、物忘れなどが「年のせいか?病気なのか?」と心配になりましたら受診ください。
水・木曜日は脳神経外科医が、月・火・金曜日は名古屋大学病院からの非常勤脳神経内科医が診察します。最新のCT、MRIや脳波検査などの診断機器を使って診断を確定いたします。最近の脳神経外科治療の進歩はめざましく、患者さんに負担の少ない治療法が開発されています。
当院では外科的手術はできませんので、手術が必要な場合には、患者さんのご希望や生活状況をよくお聞きし、それぞれの方に最適な治療方針を決めていきたいと思います。開頭術、血管内手術、脊椎手術や定位的放射線治療などの高度な治療をお勧めする場合には、名古屋大学病院や近隣の中部国際医療センター、県立多治見病院などをご紹介いたします。
地域の先生方へ
脳神経に関するあらゆる疾患についてご相談ください。
- 手足の麻痺や言語障害の症状がある方
- 原因不明の視野視力障害や聴力低下、顔面けいれん、三叉神経痛でお困りの方
- 外傷後に頭痛や神経症状がみられる方
- ふるえなどの不随意運動症でお困りの方
- 首や腰の痛み、手足のしびれや筋力低下などでお困りの方
- 脳や脊髄の病気などにともなう痙縮の治療をご希望の方
- 物忘れなどで、認知症を心配されている方
当院では手術治療はできませんが、ご紹介いただきました患者様は責任をもって、診療させていただきます。特にご高齢の患者さんにおかれましては、患者さまに寄り添い、先生方と連携して診療にあたり、看護・リハビリテーションや介護まで包括的にサポートしていきたいと思います。
診療実績
入院患者(2024年度)
|
脳血管障害 |
7 |
|
頭部外傷 |
3 |
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パーキンソン病他 |
18 |
|
感染症他 |
2 |
手術患者(2024年度)
|
脳深部刺激装置交換術 |
8 |
医師紹介
| 医師名 | 役職 | 免許取得 | 主な専門領域 | 資格など |
|---|---|---|---|---|
| 梶田 泰一 | 院長 | 1984年 | 脳神経外科一般 機能的脳神経外科 (てんかん、不随意運動、難治性疼痛) |
日本脳神経外科学会専門医・指導医 日本てんかん学会専門医 日本定位・機能神経外科学会認定医 迷走神経刺激術資格認定医 |
| 藤田 王樹 | 非常勤 | 2018年 | 脳神経外科一般 |
