泌尿器科

診療・各部門

診療概要・特色

診療概要:

泌尿器科は尿路に関わる臓器(腎臓・腎盂尿管・膀胱)~男性生殖器(精巣・前立腺・精巣上体)まで幅広い臓器を対象とする診療科です。尿路のがんや高齢化に伴い増えている排尿障害、また食生活の変化により増加している尿路結石や尿路感染症等の疾患を扱います。

特色:

当院では初診から検査、入院、手術、術後のケア、退院後の通院まで一貫して行なうことができます。特に内視鏡治療に力をいれており、腎結石や尿管結石に対する最新のレーザーを用いたお腹を切らない内視鏡手術である経尿道的手術(TUL;経尿道的腎・尿管結石砕石術)や、膀胱癌に対する経尿道的手術(TURBT;経尿道的膀胱腫瘍切除術)、前立腺肥大症に対する経尿道的手術(TURP;経尿道的前立腺切除術、HoLEP)に関しては岐阜県内でも有数の手術数を行っています。また近年欧米で普及している前立腺肥大症に対するWAVE治療;経尿道的水蒸気治療)はさらに低侵襲の経尿道的手術であり、手術時間は約10分で入院期間も短く、身体に負担の少ない治療法です。当院でも機器を導入し、施行が可能です。また腎臓癌や腎盂尿管癌に対する腹腔鏡下手術は学会認定医が常勤医として勤務しており、安全に施行しています。

治療・トピックス

対象疾患:

がん
腎臓癌
腎盂尿管癌
膀胱癌
前立腺癌
精巣癌
排尿障害
前立腺肥大症
過活動膀胱
間質性膀胱炎
尿失禁
神経因性膀胱
尿路結石
腎結石
尿管結石
膀胱結石
尿路感染症
腎盂腎炎
膀胱炎
前立腺炎
精巣上体炎
尿道炎

腎・尿管結石:腎臓で作られた結石により、血尿が出たり、また尿管を閉塞することにより腎臓が腫れて背中の痛み等の症状を引き起こす病気です。腎臓が腫れたまま放置しておくと腎機能が悪くなり、罹病期間によっては腎臓の機能が廃絶してしまうこともあります。

[治療]

最新のホルミウムレーザーを導入し、ほぼ全ての患者様にお腹を切らない経尿道的な内視鏡手術(経尿道的腎・尿管結石砕石術;TUL)で行っています。短期間の入院で済み、身体に対する負担の少ない手術法で、レーザーにより確実に結石を破砕することが可能です。膀胱結石に対する治療も同様にレーザーによる破砕で治療します。また確実性は劣るものの、従来より行われていた体外より衝撃波をあてて結石を破砕する体外衝撃波結石破砕術;ESWLによる治療も可能です。

前立腺肥大症:前立腺肥大症(BPH)は、加齢等により腫大した前立腺が尿道を圧迫することにより、尿が出にくくなったり尿の回数が増えたりといった排尿にかかわる様々な症状を引き起こす良性疾患です。加齢によって増加するといわれており、40-50歳代の約2%、60-70歳代の6-12%の方がBPHの症状をもっているといわれています。

[治療]

基本的に薬による治療で開始しますが、薬による治療で効果を得られない場合や全く尿が出ない場合(尿閉)は、手術治療を行います。当院では従来より以下の内視鏡手術を行っています。

  1. 経尿道的前立腺切除術(TURP):電気メスにて前立腺を切除するゴールドスタンダードといわれている方法
  2. 経尿道的レーザー前立腺核出術(HoLEP):レーザーを使用して前立腺を被膜より剥離し、前立腺をまるごと核出する方法
    どちらの手術方法を用いるかは、前立腺のサイズや前立腺の形態、患者様の年齢や全身状態によって選択します。いずれの方法も内視鏡手術であり、身体に対する負担の少ない手術方法です
    また近年欧米で広く普及しているさらに低侵襲であるWAVEも行っています。
  3. 経尿道的水蒸気治療(WAVE):高温の蒸気を前立腺に注入し、肥大した前立腺を退縮させる方法
    前2者の方法よりさらに低侵襲な治療法で手術時間は約10分で終了し、さらに短期間の入院で施行が可能です。

膀胱癌:膀胱癌は膀胱に発生する悪性腫瘍(がん)で、泌尿器科領域では最も罹患数の多い「がん」です。痛みのない肉眼的血尿が初発症状で、喫煙歴のある方により多く発生します。

[治療] 
経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT):膀胱にできた腫瘍を内視鏡的に電気メスにて切除する方法です。腫瘍の根部が浅い場合、内視鏡手術のみで根治が可能です。再発予防目的のBCGや抗がん剤の膀胱内注入も積極的に行っています。
またアミノレブリン酸を術前に投与し、粘膜に隠れている[がん]や見つけにくい[がん]を発見する方法である光線力学診断(PDD)も導入しており、再発率の減少に寄与しています。
発見時にすでに他臓器やリンパ節に転移している進行性膀胱がんの場合、抗がん剤治療や近年有効性が証明されている免疫チェックポイント阻害剤による治療も当院で可能です。

外来診療担当表

医師紹介

医師名 役職 免許取得 主な専門領域 資格など
山田 芳彰 手術室部長 1980年 泌尿器科
泌尿器科悪性腫瘍
医学博士
日本泌尿器科学会指導医・専門医
日本ミニマム創泌尿器科内視鏡外科学会 評議員
青木 重之 泌尿器科部長 1992年 泌尿器腹腔鏡手術
内視鏡的治療
日本泌尿器科学会指導医・専門医・評議員
日本泌尿器内視鏡学会 腹腔鏡技術認定医
日本癌治療学会 がん治療認定医
日本内視鏡外科学会 泌尿器腹腔鏡技術認定医
日本ミニマム創泌尿器内視鏡学会
腹腔鏡下小切開手術施設基準医
森永 慎吾 医員 2011年 泌尿器科一般 日本泌尿器科学会専門医